無料の週刊情報マガジンR25で、伊藤若冲が取り上げられる

とある東京の地下鉄駅で「R25」という無料マガジンを手に取ったら、伊藤若冲が2ページ取り上げられていました。

日本美術史家の辻惟雄氏による若冲の鑑賞ポイントを簡潔に述べています。

週刊情報マガジンR25(105号)より一部抜粋

若冲は「形」へのこだわりを持った人です。「形」に着目すれば若冲の個性が見えてくるでしょう。(中略)今の若い人は『もう一つの現実があってほしい』と求めているのでは。(中略)若冲の画はとにかく美しく官能的でもあり、浮遊感があります。

「もう一つの現実があってほしい」、というのはちょっとよくわからないのですが、「形」に着目するというのは、なるほどと思いますし、同感ですね。たとえば若冲が描いた鶴は、展示の解説にも書いてあったことですが、体を卵のように描いたユニークさがあります。あと若冲が独自にはじめた描き方で、当時水墨の描き方としては邪道と言われた「筋目書き」という技法で描いた画がたくさん残されているのですが、それが物の「形」をうまい具合に表現できたという面白い結果を生んでいます。

江戸時代の画家である若冲の描いた画が、現在若い人たちにウケている。この現実はとても興味深いです。大むかしの西洋の画家や、アメリカ現代作家ではなくて、江戸時代の画家に人気が集まっている。これはちょっと通常考えられないと現象に思います。

辻惟雄氏は「奇想の系譜」という本によって、若冲を心から評価し、世に大きく紹介した最初の方ですが、アニメや漫画も好きなことで知られています。最近出した著書「日本美術の歴史」でもアニメや漫画を日本が生んだ立派なアートと位置づけています。それらは昔の日本絵画と無関係どころかきちんとつながっているというわけです。アニメや漫画を、忘れ去られていた若冲と同じぐらい高い評価している。一方若冲をアニメや漫画と同じぐらい若い人が高い評価している・・・そうすると現在の若冲人気は起こるべきして起こったのかもしれませんね。

若冲を現在のアニメーションや漫画に近いものを感じる、ということもいえるわけですが、デザインという観点からしても面白い画風です。2006年の夏、東京国立博物館には面白い発見をした人、大いなるヒントというかインスピレーションを得たこれからの若手アーティストがたくさんいたと思います。

今に通じる画を200年前に描いたというのは凄いことです。もっとも若冲は好き放題描いただけだと思いますが。好き放題といってもその好き放題が絵を描くことだけだったというのも凄いですね。彼は大金持ちの息子で、一生働かなくても困らないほどだったと言われているわけですが、物欲とか出世欲、異性などではなく、大金のほとんどを絵にささげたという話も、現在の我々にもなにか刺激しているのでしょうか。

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