生々流転、都路華香展、木村荘八、金閣炎上、柳宗理・・エトセトラ

DSCF1961.JPG横山大観の代表的名品、かつ高校の日本史でも暗記必須?作品でありましょう《生々流転》が全40メートル一挙公開ということで、見に行ってきました。

相も変わらず保存状態が良いことに感心します。国立の近代美術館所蔵ですから、重文ですし、管理は完璧なのは当然でしょうけども、しかしそこにあったのは、まるで昨日出来上がったばかりの輝かしさでした。

この作品、過去もう何度も見ていますが、全巻一挙に見るのは初めてでした。そんなに人は混雑していませんでしたし、比較的ゆっくり見ることができました。初めて見る作品ではないからか大きな発見みたいなものはなかったのですが、満足できる展示でした。予想以上に長い巻物でしたね。終了直前に行ったので間に合って良かったです。

大きな発見はなかったと言いましたが、まあひとつだけ強いて言うなら、後半部分はもしかして疲れて手抜きじゃあるまい?なんて思ったりしました。前半から中盤にかけては、迷いがないような、自然に物事が運んで行っているなかなかな内容だったのが、後半になってくるといささか冗長かなあーと思ったりしました。あれ、多少発見あったじゃないか・・

竹橋にある東京国立近代美術館へは、その《生々流転》が目的だったので、「都路華香(つじかこ)展」は当初行く予定がありませんでした。全然知らない作家だったということもありましたし、どんな作家なのかイマジネーションがまったくわかないようでは、正直行く動機が見つからないものです。しかしやっぱりせっかく来て、もったいないと思い、急に観覧することに決めました。そのあと《生々流転》を見ることにしたのです。

しかし見てみた「都路華香展」は、そんなに大きな規模ではない展示内容とはいえ、思いのほか面白いものでした。京都画壇の人ということですが、なるほど、その通り京都出身の画風です。斬新というより面白いセンスの持ち主という印象でした。どこか神坂雪佳に共通するものを感じました。二人とも最初アメリカで愛され、多くの作品があるようです。またもや海外で発見というわけですか。知名度のせいか観客はそんなに居なかったのですが、特別展覧会の特色としてよく言われるという「良い展覧会は客があまり入らない」ということをまたまた実証してしまいました(笑)

DSCF1962.JPG「都路華香展」と《生々流転》を終えたあとは、4階へ上って常設展です。永井荷風の最高傑作と言われる小説「ぼく東綺譚」の挿絵を担当した木村荘八。その挿絵の原画が展示されていました。こういう企画展示はそうはありません。古きよき時代の東京風景を堪能しました。ノスタルジックというかメランコリーいうか、そんな感情を抱かせる・・。小さな原画の展示ですが、なかなか見応え十分なものでした。東京朝日新聞に連載されたときの挿絵ということで、貴重なものです。いいものを見ました。

3階には川端龍子の名作《金閣炎上》が展示されていました。昨年、京都へ行ったついでに滋賀県立近代美術館で「川端龍子展」を見たのですが、それは《金閣炎上》を一目見たかったからです。今まで見たことなかったのでどうしても見たかったのでした。ということで今回で2回目の出会い。やっぱり衝撃的で、かつ美しい作品です。これほどジャーナリズム性のある絵画はそうはありません。思わず立ち止まって時間かけて見ていました。

2階では柳宗理のデザインを紹介した特集展示がありました。若い方が多かったですね。デザイナーを目指す卵たちだったのでしょうか。ただ展示されていた生活道具やインテリア作品は特別斬新さは感じなかったのは、時代のせいなのでしょうか。ただティーカップやポットの白磁の作品が良かったですし、全体的に品を感じさせるところが好印象でした。

帰宅した夜、「美の巨人たち」という番組で岸田劉生の重要文化財《道路と土手と塀》が紹介されていました。これも東京国立近代美術館所蔵で、この日見に行った常設展には展示されていなかったのですが、この作品も過去何度も見ています。

何気ない風景なのに、圧倒的な写生力で、見る者をねじ伏せるような作品で、いつの季節に描いたのかは知らないのですが、暑い夏を思い起こさせるくらいの濃厚で、なんだか味が濃くて脂っぽくてべたべたしている洋食を食べているかのような、そんな感覚を覚える風景画・・。また見たら今度はなめ回すように見てみたいと思います(笑)。

DSCF1959.JPGしかしこう感想を書いてみて、改めて東京国立近代美術館はやっぱり良い美術館だと思う次第です。なにげなく良品な作品がさりげなく展示されている「粋」な美術館と言っても過言ではないでしょう。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
QLOOKアクセス解析