「江戸の誘惑展」の感想-その1 IN 江戸東京博物館

DSCF0923.JPG江戸東京博物館での開催の「江戸の誘惑展」に行ってきました。

さっそくどんな作品が展示されているのか、最初ざっと全体を見てまわったのですが、その内容は私の想像を越えるものでした。ボストン美術館にはこんなに肉筆浮世絵があるとは・・・いや実際にはもっとあるらしいです。1996年から調査したところ700点近くが見つかったと言いますから、すごい量です。今回の展示はその中から80点ぐらい展示されています。

アメリカ・ボストン美術館が所蔵する肉筆浮世絵だけで構成された展覧会です。その肉筆浮世絵たちは明治時代の来日したアメリカ人医師のピゲローが買い集めたものです。

浮世絵版画だけの展覧会はたくさんありますが、肉筆浮世絵だけを集めた展覧会というのは、なかなかやっぱり少ないです。

例えばホテルオータニの大谷コレクションや、千葉の寺島コレクションといったところが、肉筆浮世絵をたくさん所蔵していて有名どころですが、やはり見る機会は限られますね。3,4年に一回見られれば幸運といったところでしょう。東京国立博物館はさすがに出来るはずだと思うのですが、なぜか肉筆浮世絵の大きな特別展やらないですね。

専門家の間では、肉筆浮世絵というのは、なぞだらけで、やっかいなもののようです。たとえば北斎は、弟子が描いたのに自分の署名を入れたりなんてことやってます。それなりに完成度高いのに作者がぜんぜんわからない、なんてことも。また資料的にも少ないことがあって、難しい代物という、いささか無秩序な世界といったところでしょうか?!。

そんなあやうい肉筆浮世絵の世界。あやういゆえにとても魅力的なもので、私も大好きなジャンルです。なにしろ肉筆ですから。先に行われた神戸市立博物館での展示のあいだでも、はやく東京に来ないかと待ち焦がれていました。

そしてさっそく会場である江戸東京博物館へ入ったのですが、その前に上野で「大エルミタージュ展」と「ベルギー王立美術館展」を見ていたので、最初の絵巻物を見始めた瞬間、なんだかまるでステーキやハンバーグといった西洋の、こってりした料理をたんまり食べた後、こんどはあっさりと高級な寿司を食べている、といった感覚でしたね。

最初は一通り見て、結構感心しきりだったのですが、だんだんと暗たんたる思いがしてきました。これだけのものがアメリカに全部行ってしまったのか、という事実にです。

ピゲローは金持ちですから、どんどこ買っていったわけで、それ自体に悪くは無いですが、それにしても、良質な日本絵画が海外へたくさん行ってしまった。

残念といえば残念ですが、しょうがないといえばしょうがないです。もし日本にあったら関東大震災や太平洋戦争で消失していたかもしれない、これはこれで良かった、という意見もあります。日本人は再度自分たちの文化というものもっと大切に考えなければいけませんね。

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