「大聖武」を見て IN 東京国立博物館・本館

DSCF0911.JPG「仏像展」を見終わった後は、常設展示です。東博の2階では狩野秀頼の屏風などがありましたが、一番幸運だったのは「大聖武(おおじょうむ)」と言われる奈良時代の古筆の巻物を見ることができたことでした。

今年2006年の1月頃に「書の至宝展」という展覧会がありました。古今東西の書の名品が一同に集まるということで、詳しい方に言わせると今後二度と無いであろうという空前絶後の内容だったのだそうです。

その時にも「大聖武」が出品されていたのですが、特別展らしく混雑のため、ろくに集中して見ることができませんでした。なにしろ隣にはたしか空海の書とかもありましたから、まあそれは大変な人でした。

そして今回の常設展示で、私はこの国宝「大聖武」を独り占めすることができてしまいました。大げさな言い方ですが、閉館直前の時間ということもあって、ずーっと鑑賞することができました。まさに常設展示のメリットを享受できる瞬間です。

DSCF0913.JPG「大聖武」は、「賢愚経残巻(けんぐきょうざんかん)」とか「賢愚経断簡」「賢愚経」というのが通常の言い方で、正しくは「賢愚因縁経」というらしいです。「賢愚」というとおり、賢い者と愚かな者ということですから、内容はその賢者愚者に関する小話を集めた経典です。その経典の元は中国(当時は北魏)で、それを写したものが「大聖武」というわけです。

「大聖武」と言われるゆえんはその名の通り、聖武天皇筆と伝えられているからですが、確証はどこにもないそうです。「伝」の範囲を超える可能性はかなり低い感じですね。ただ八世紀のものであると推定されます。

現在は他に東大寺に一巻。前田育英会に三巻。白鶴美術館の二巻が伝存します。こうなったらそれら全部ぜひ見てみたいです。

しかし書の内容はどうであれ、大振りで堂々たる筆致は素晴らしいです。息づかいを感じる生々しささえあります。いい墨を使っているのは素人でもわかりますし、自分は書についは明るくありませんが、「大聖武」には、かなり魅力を感じます。

いつかまた見てみたいと思っていた名品にまた出会えました。

■賢愚経断簡(大聖武)伝聖武天皇筆 奈良時代・8世紀
展示期間:2006/10/11~ 2006/11/19


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