「仏像展」の感想

DSCF0910.JPG東京国立博物館で開催されている「仏像展」に行ってきたのですが、年間パスポートを持っていまして、10月から3000円から4000円に値上げする一ヶ月前ぐらいに手にしていたので、それを利用して行って見てみました、・・というか思い切って言うと、パスポート持っていなかったら、行くつもりのない展覧会でした。

なぜならば、現在ある奈良や平安、鎌倉時代の木造の仏像や肖像は、いささか無惨に思うことが少なくないからです。当時出来上がったものはそれはもう素晴らしかったに違いないのに、今やすっかり劣化して色は剥げ落ち、顔は汚い・・・・彫刻だけで見たら確かに職人の神業を忍ぶことができるけれども、色彩として絵画的に見ると、どうだろうと思ってしまうことが多いのです。

仏像彫刻に限らず、例えば昔、金閣が焼失する大事件がありましたが、現在の再建された金閣は、時は浅いけれども、これはこれで素晴らしい魅力を放っていると思います。古ければ良しというわけではないわけです。

というわけであまり期待しないで行った「仏像展」でしたが、意外や面白いものでした。やっぱり実際足を運んで見るものと、頭の中で予想するものとはだいぶ違うことを改めて感じました。

第一章のフロア「檀像の世界」では、小さな「十一面観音菩薩立像」がいくつか展示されていましたが、どれか一つは欲しくなるほど、芸が細かくてかつ美しくてまばゆい魅力を放っていましたし、「宝誌和尚立像」は初めて見たのですが、顔の真ん中からまた顔が裂けて出てくる様子という、妖怪漫画を先取りするようなものがすでにあったという感じで興味深いものでした。

しかし一番面白かったのは、第四章フロア「円空と木喰」でした。円空の人物解説には近世畸人伝』で紹介されている円空の絵がありまして、ハシゴに登って生の大木に顔を掘っている様子を描いたものですが、ユーモアあって思わず笑ってしまいました。

円空の作品は木材の質感を、もろにそのまま残している生々しさがたまりません。その場にいた若いアーティストの卵たちはおそらく、思いっきりインスピレーションを受けたことでしょう。斬新さがありますし、現代作品といわれても、たいして違和感ないのではと感じました。

木喰は60歳から創作活動を始めたと知って驚きました。その木喰の作品は、かわいらしく丸みのある作風は、まるで紅葉まんじゅうなどのお菓子を連想しました。みんな中に「あんこ」でも入っているんではないかと思うような仏像たち。なんだかおいしそうです。クリームとかピーナッツとかのカスタード系ではなくて「あんこ」でなければいけません。どなたか「木喰あんこう」「木喰まんじゅう」なんてどうですか。いや、もうすでにあるかもしれません。

あとは「弥勒仏座像(奈良東大寺蔵)」が興味引きました。小さな大仏様というわけでこれまたお顔がなんとなく漫画チックです。というか虫系ですかね。コオロギとかバッタとかそっち系でしょうか。

そっち系といい加減なことを言ったところで、いま思ったのですが、女性のような顔、男性的なお顔、西洋チックなお顔、猫背系、首が出ている系など、いろんなタイプがありましたね。思いのほか楽しめました。

会場では女性が多かったような気がしました。仏像に魅力を感じる女性が多いのでしょうね。なんとなく理由はわかる感じですが、これもちょっとした発見でした。

なんだかまとまりのない文章になってしまいましたね。

仏像展
(↑割引引換券あり、一般は200円割引)
2006年10月3日(火)~12月3日(日)
東京国立博物館

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コメント

  1. T.K より:

    お久しぶりでございます
    一木造りでは、やっぱり円空さんや木喰さんははずせませんね。円空さんは確か20万体ほど彫ってたのじゃなかったでしょうか。ここまで行くと環境破壊ですね。
    仏像ではたまにとっぴもないのがありますね。信仰のたまものなのでしょうけど。私はごく普通の仏像が好きなのですが^^
    私は西洋絵画が苦手で、getaさんの造詣の深さに感心しきりです。

  2. geta より:

    仏像には基本的に「優しさ」があるから好きな方が多いのですね。あの展覧会でそんななにげない発見がありました。絵だったら基本的になんでも見るだけで、造詣の深さなんてとんでもないですよー。恐縮です。

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