日曜美術館30年展の感想

先日、解説に頼らず作品を鑑賞してみませんか、という記事をこのサイトに載せたばかりですが、展示されている作品の横などに掲げてある言葉が秀逸の連続でした。これは日曜美術館から企画されたものの「ならでは」、でしょうね。

あの番組で語られた名言集といった感じで、興味深々で読みふけってしまいました。そのためか、あまり会場にいるみなさん前に進みません。

あの番組で語られた言葉のように、自分もうまい感想がもうちょっと自分でもできたらいいなと思ってしまいます。

展示内容は近代絵画に偏っていたので、もうちょっと江戸以前のものも展示してくれたらとは思いましたけども。

図録はまるで人生論みたいな本となっている趣です。読んでも面白い展覧会図録はこれが初めてかもしれません。

・今東光、関根正三の「子供」について

「あの子供の絵があるでしょう?朱いのが。たっぷり使っている朱が、生きているんですよ。関根はうれしかったでしょ、これ描くときは。これあんたね、19、20歳で描いたんですよ。」

「当時は洋画なんかに対する理解がないから、これに勉強させようとか、絵の具代出そうとかというような金持ちは日本にいなかったんですね。ろくでもねえ金持ちしかいなくって」

・作家・野坂昭如

「(鏑木)清方さんの絵は、美人画の範疇(はんちゅう)を超えるものだと思っています」

・高橋義孝

「日本画には本質的に装飾的なものがあるんですよ。それをいい意味で生かした人が(前田)青邨だと思いますね」

・池波正太郎

「ルノアールといえばヌードの絵が多いわけですが、若い女のヌードがいいというんじゃなくて、その裸体が表現している生命力というか、活力ですね。ああいうものは、ルノアールが絵を描いていた時代じゃないと出てこないんですよ」

・初めて見たときショックを受けたという鳥獣戯画を語る手塚治虫

「(ウサギの)一匹が笑っていますね。笑っている目を一本の線で描いています。こういう技法は今では普通ですが、この時代にはほかにないです」

「子供たち、あるいは近所の人たちの見ている前で描かせたもの、という気がしてならないわけです」

・中川一政が語る富岡鉄斎

「自分の好きなものを取るという選択能力を失うことが絵描きにとっていちばんいけないことで、独学の精神がそこでも必要なんです」

・上村松篁が語る上村松園

「下品とか俗なというのは、非常に悪いことであって、上品とか格調があるということは、芸術としては当然であるという、そういう考え方は、知らん間に私の心に入り込んでいますね。それはやっぱり母の影響やと思いますよ」

・加山又造が語る横山操

「見る人のふるさと回帰みたいな気持ちに、絵がじかに突き刺さってくるんでしょうね。人の心に、ぐーっとくる」

・岡本太郎

「絵でございます、というようなもんね、まあとてもつまらない。計算づくの絵を描いちゃだめね。逆に、何だこの絵は、こんなの絵か?って、他人に思われることはもちろん、自分自身でさえ思ってしまうような絵を描きたくなるな。」

・中川一政

「僕は肉体っていうものと精神っていうものを分けないんです。手だけや頭だけで描きたくないんだ。」

◆巡回先

京都文化博物館:2006年12月13日(水)-2007年1月21日(日)
広島県立美術館:2007年2月15日(木)-3月25日(日)
岩手県立美術館: 2007年4月7日(土)-5月13日(日)
長崎県美術館: 2007年5月26日(土)-7月1日(日)
静岡県立美術館:2007年7月24日(火)-8月31日(金)

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日曜美術館30年展 東京藝術大学大学美術館(2006/9/9-10/15)

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