ディズニー・アート展の感想
ディズニー・アート展は入口から列ができていました。待ち時間30から40分ほど。予想外といえば予想外だし、予想通りといえば予想通りの混雑ぶりでした。小さな子供といった家族連れやカップルが多いのはこれはもう予想通りでしょう。みなさん「かわいー」を連発していました。そんな「かわいー」と「すばらしー」を両方堪能できる夏休みにふさわしい展覧会でした。
私は2005年12月に発見された千葉大コレクションが楽しみだったのですが、なかなかものので予想以上に貴重なものに出会い少々驚きました。さすがにちょっとセルが波打ってましたけど。それもまた生々しかったりしてそこが良かったりします。
その千葉コレクションは1960年に「動画芸術 ウォルト・ディズニー展」が日本各地を巡回して出品されたもので、その後東京国立近代美術館フィルムセンターに寄贈されることが当初の予定だったのを、ある千葉大の工学教授の希望で、その千葉大に保管されることになったというという経緯だそうです。
しかしそれから月日が経つにつれて知らぬ間に大学内の誰も知らない状態になってしまったということで、次第に忘れ去れてしまったようです。そして突然の発見で45年の眠りからよみがえった、ということらしいのです。
なんでも鑑定団とかの番組を結構見ている方は知っていると思いますが、ディスニーのセル画は高値で取引されます。特に実際に使用されたものとなると何百万になるシロモノです。今回の千葉大コレクションも・・・そういうことですね。
そんなお金の話はなしにしても、ディズニーのセル画を数多く観るのは私は初めてです。前々からアニメのセル画は興味あったので、その日が来たということで感慨がありました。実際、ディズニーの作品をアートとして見ようという試みは初めてだそうですが、それも意外な気がします。アートとしても全然問題なしだと思います。ただ芸術性の深みとかそういう議論をしてしまうと、それまた別問題になりますが。
セル画のほかにデッサン画もたくさん展示されていました。それらはイラストレーターやアニメーターを目指す人にはタマラナイのではないでしょうか。
あと「コンセプト・アート」と言って実際のアニメを作成する前の段階に描かれる原画があって、これはこれから作っていくストーリについて、頭からそのままイメージをそのまま吐き出すというようなものらしいです。ディズニーアニメとは一味違うというか、どちらかというとこちらのほうが美術的な作品で素敵なものでした。
ただ一つ本展覧会の難点を言えば、後半に人物が写っていない風景画だけの展示室などがありましたが、「いささか飽きるかな」という感じでした。実際あるカップルだったんですが、飽きてきたって言う声が聞こえてきましたね。
しかしそれはなぜなんでしょうか。これは所詮アニメだからなのか、アニメの背景に過ぎないからなのかここで理由を断定するのは避けますが、そんな気持ちが起こってしまったことは事実でした。もちろんディズニーアニメの風景画をじっくり見られる機会はないですし、緻密に描かれたきれいな絵だったので、それはそれでよかったです。。って苦しいフォローしてますね?
というわけで最初ディズニー・アート展の感想は手短にしようと思っていたのに、予想外に長くなってしまいました。それだけ貴重な展覧会だったのでしょう。最後のグッズショップはこれまた予想通り混雑していました。
そこにひとつ車のキーにぴったりなキーホルダーがありました。「眠れる森の美女」の絵が入ったキーホルダーだったので、少し興味そそられましたが値段が1500円だったので断念しました。やっぱり三越とか丸井とかへ行って、大人っぽく渋いのにしておきます(笑)。