「美術館商売」

美術館商売―美術なんて…と思う前にこの本を購入した所は上野の国立西洋美術館のミュージアムショップでした。なにげなく本棚を眺めていたらこの「美術館商売」という本のタイトルが目に入りました。文庫本サイズですが、ぱらぱらめくって立ち読みしてみたら、美術館における数々の問題点を述べていたり、これからどうしたらもっと美術館に足を運んでくれるのかという具体的な提言をしていたりとわかりやすい文章で書かれていて、共感できるところが多かったので、購入しました。

著者の安村敏信氏は現在、板橋区立美術館の館長を勤めている方です。板橋区立美術館には何回か足を運んだことがありますが、他とは一味違うところがあり、親しみやすさを持ってもらおうとする意図が伝わってくる展示方法に新鮮なもの感じたことがあります。

この本の中で、いろいろな現状を述べられています。たとえば「美術館の常識は非常識」という段落があります。

以下をどう読みますか?

『俵屋宗達筆 風神雷神図屏風 国宝
紙本金地着色 二曲一双 建仁寺蔵』

これをすべて一発で正しく読める人は専門家か愛好家で、一般の人は?だと述べられています。私はすべて「たわらやそうたつ・ひつ ふうじんらいじんず・びょうぶ こくほう しほん・きんじ・ちゃくしょく にきょく・いっそう けんじんじ・ぞう」と読めますが、そういえば確かに知識ないと難しいものですね。その辺の問題を細かく述べられています。

観客である自分でも簡単なことだと思っていたことが、実は一般には難しいことだということに気づいてはっとしました。自分も非常識だった?

タイトルの『美術館商売』はよくぞおもいきって付けられたと思います。拍手しても大げさではないでしょう。美術館はお勉強するだけの場所ではないのです。他のレジャーと同じ楽しい場所なのです。それに経営としてもちゃっと考えていかないといけない時代になっている。そんな現状なのですね。

美術館というアミューズメントについて思うことがある方や、これから学芸員を目指す人はもちろん、美術館にあまり行かない方にも読んでもらいたい一冊です。

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